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恋は切なしバイトせよ乙女 第四夜「出会いは学習塾にある」/カツセマサヒコ

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ライター・編集者として活躍する傍ら、Twitterを日々賑わせているカツセマサヒコさんの妄想連載、第四夜! 今回は学習塾での出会いをお届けします。ゼミやサークルで忙しいかもしれないけれど、恋は切なし、バイトせよ乙女っ!

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「このままじゃだめだ!」

と、思い始めるのは、高校3年か大学1年か、20歳を迎える少し前あたりだった気がする。

それまではボンヤリと「将来? なんかカッコイイことしたいよね」ぐらいに思っていたのだけれど、進路を聞かれ、希望学部を聞かれ、就活時期を知るたびに気付く。

「あれ? もしかして、ウチらが言ってた“将来”って、すぐそこまで来てる……?」

そこからは、何か有意義に感じられる方法で時間を埋めたい気持ちに駆られ、慌てて海外に行きだしたり、ビジコンやインターン、もしくはひたすら読書や映画鑑賞に入り浸ったりする。

でも、落ち着け乙女。
たしかに、自由に時間を使えるこの4年間は、有意義に過ごしたい。意識高く、大人のフリをしたくなる時期でもある。

しかし、一見無駄なことをするのも、一般的には大学時代しかできないことなのだ。人生でたった4年しか、好奇心のまま遊ぶ時間はないのである。

だからこそ、アルバイトしてみないか乙女。一度社会に出てしまったら、「学生でアルバイト」なんて楽しいポジションを味わうことは二度とできないぞ、乙女。

今回は、乙女な貴方がバイトしたくなるように、学習塾での出会いを考えてみた。

出会いは学習塾にある

(ちょっと勉強できないと、厳しいかも……)

そのハードルがあるからこそ、「学習塾の先生」というアルバイトは、魅力が盛り盛りだくさんではないだろうか。それも、個人塾のような小さなところで、小学生から高校3年生くらいまでいる塾なら、なおさら魅力的ではないだろうか。

たとえば、貴方は現代文をメインに教える先生で、同僚には小学生に大人気の爽やかメガネイケメン男子(算数が得意・読書してる姿が最高すぎて呼吸止まる)がいる。

「あれ? まだ残ってんの?」
「あ、うん、来週小テストなんだけど、まだ問題作ってなくって」

おもむろに近づいてくるメガネイケメン。

「どれ? 見せてみ?」
「あっ、まだ……」

気付けば、頭のうえに、彼の顎が乗っている。

一気に赤面した貴方は、それを悟られないように机に視線を落とす。
Vネックセーターが似合いすぎる学習塾の美男子は、構わず話し続ける。

「あー、なるほどね、おもろいね、この問題」
「ほんと? わかりにくく、ないかな……?」
「ううん。そんなことないんじゃない? 小学生の気持ち、よくわかってんなーって思うよ」

優しく、しかもさりげなく背中を押してくれる彼(めちゃくちゃいい匂いがするしメガネ拭く姿がセクシーすぎてヤバい)は、どこまでも魅力的すぎて困る。

あなたはこの同僚がいるだけで職場がキラッキラして見えるのだが、しかし、学習塾の恋愛事情は、留まることを知らない。

メガネイケメン同僚が帰るのと入れ違いで、透明感ありすぎ妖精系イケメン男子(高校3年・成績超優秀・帰宅部・一人暮らし)が、教員室に顔を出した。

「〇〇、まだ帰らないの……?」

ナマイキな年頃である。この妖精は、貴方のことを「先生」とは呼ばず、下の名前で呼び捨てにしてくる。しかし、貴方はなぜかそこに嫌味を覚えず、むしろ名前を呼ばれるたび、脳内にちょっとした電気が流れてしまう。

「そっちこそ……もう帰る時間じゃないの?」

(できるだけ、年上のおねえさんを演じていたい。まだ17歳の男子にウツツを抜かすほど、わたしは落ちぶれちゃいない)

自分を律していないと、すぐに甘いマスクの泥沼に沈んでしまいそうになる。なんでこの職場、わたしを誘惑してくる男子ばっかりなの? もうだめ、しっかりしてわたし。17歳なんかに手を出すほど焦ってないでしょ? 大体「学習塾」なんてマトモなバイト先なんだから、色恋沙汰なんかに目覚めちゃダメよ。ここは勉学の場。ただひたすらに小テストの問題をかんg

「一緒帰ろ? ラーメンでも食べいこうよ」

帰るーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
17歳のイケメン男子とラーメン食べるーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!
全然オゴるーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
大盛りに替え玉もありーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

あなたは小テストを帰ってから仕上げることにし、荷物をまとめる。
外に出ると、冷たい夜風が吹いた。
イケメン男子(17歳)は、何も言わずマフラーを巻き直してくれる。

「あ、ありがと」
「どういたしまして。行こ?」

以上だ。

この後、あなたがチャーシュー麺の大盛りをうれしそうに頬張る年下男子に胸をトキめかせたのは言うまでもないが、とにかく学習塾の恋は、加速していくのである。

乙女諸君。出会いは、学習塾にある。

意識高いこと、有意義なことに時間を使わないと不安に襲われることもあるだろうけれど、この時期にしか味わえないバカらしい経験をしておくのも、人生の財産になるものだ。

今しかできないことをしよう。それがバイト先での恋なら、恋をしよう。
いつかそのときを振り返って、「ああ、バカしたなぁ」と思えるその瞬間こそ、過去の醍醐味と思えるはずだから。

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この記事のライター

下北沢のライター・編集者。書く・話す・企画することを中心に活動中。
趣味はツイッターとスマホの充電。
Twitter:@katsuse_m

ユー&ヨーコのつぶやき

「一見無駄なことでも、バカしたなぁと思うことでも、今しかできないのが学生時代!」…ということで、フードファイトで世界一周してくるね!

ユー&ヨーコ

世界一周っていわゆる「意識高い」学生の行動なのに、ユーがやると途端にふざけて見えるわね。

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